いままでのボキャブラリービルディングについては単語を見たら日本語訳が浮かぶことをメインにしたものでした。つまり、「認識語彙」の強化について書かれています。しかし、英作文においてはただ単に「意味が浮かぶ」程度では通用しません。まず、日本語から英語が浮かんでこなければ問題外です。また、スペリングを覚えている必要があるのはもちろんですが、語法(特に動詞は整理して覚えておく必要があります)、日本語訳と英語にズレがある語の意味の把握(こだわるとキリがないので基本的なものだけで十分です)が重要になってきます。つまり、認識語彙ではなく「発信語彙」の強化が必要になるということです。そういう意図で書かれた単語集はかなり限定されているので意識的に単語集を選択していく必要があります。まずオススメしたいのが清水建二先生の「似ている英単語使い分けBOOK」という本です。絶版ですがマケプレで安く手に入ります。なぜこの本がいいかというと「超基本的なので学参ではカットされてしまう単語(ネクステやヴィンテージの「語法」コーナーには概ね収録されているのですが単語集では極めてまれにしか収録されないレベルです)も収録している」ことです。例えば、動詞ならば make / have / get 人 to V / letや come / go の区別、形容詞ならば big / large や little / small、名詞ならば wage / salary /pay や company / office / farmの違いから解説してくれます。訳すのは簡単ですが使い分けは意外と身に付いていませんよね?ひと通り通読したら英作文の勉強を進める中で内容を身につけたり、定期的に再読していくなりして徐々にイメージの浸透を図っていけばいいと思います。これだけでも「最低限の」語の使い分けは抑えられます。但し、もっと勉強を進めていくとこれ1冊では不足に感じるかたも多いかと思います。それではどのような基準で2冊目以降の単語集を選んでいったらいいでしょうか。今度は学参が頼りになります。基本的には「英作文に定評のある先生」が書いたものが英作文寄りに書かれている傾向にあるので英作文で有名な先生が書いた単語集から選べばいいでしょう。特に、竹岡広信先生の書いた「ドラゴンイングリッシュ英単語1000」がつかいやすいと思います。覚え方と書かれているところは語源や語呂からの覚え方のコツ(このコラムを読んでいるかたでドラゴンイングリッシュレベルの単語の「意味」をしらない人はいないと思います)なのでザッと目を通しておけば十分です。使い方とONEPOINTと書かれているところが大事です。使い方のところに語の定義が書かれていることが多いのでまず語の定義を抑えましょう。1語1訳で覚えてきたものの「イマイチよくわからなかった」単語が腑に落ちることが何度かありました。その上で語法的に大事なポイントや日本語訳と英語にズレがある場合のコメントがあるので丁寧に抑えていきます。最後に、ONEPOINTで追加の表現などが書かれているで「これは覚えておきたいな」と感じたらチェックして覚えてしまいましょう。竹岡先生の本以外ですと絶版ですが大矢復先生のスーパー英単語・熟語2400がやはり発信語彙の強化にオススメです。収録単語が多めでしかも体系的に整理されているので標準レベルの語句を要領よく整理していくことができます。全3章なのですが、第1章が抽象語についてまとめてある章なので重点的にやるといいでしょう。ドラゴンイングリッシュ英単語ほど各単語のコメントが詳しくないのが残念ですが、語法や日本語訳と英語のズレがある語については簡潔ながら抜かりなくコメントされています。また、第2章でテーマ別キーワードを、第3章でディスコースマーカーを扱っているのでそれぞれ目を通しておくと英作文に必要な知識が効率よく学べます。他にもいい本はあるのかもしれませんが、自分の知る限りではこれら3冊が発信語彙の強化に役に立ったと実感しています。

今回は以上になります。
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